感情コントロールできない?冷静でいるための5ステップ【仕事術】

ビジネス一般

感情にまつわる仕事での失敗をたくさんしていつも後悔してしまう。例えば、上司から理不尽に怒られて悲しいやら反対に自分も怒ってしまう。あるいは部下のミスに苛立ち怒鳴ってしまうなど。

仕事だけでなく人は感情を持っているので、なんとかコントロールしたいけどどうしたらいいのかわからない。後になってから反省ばかり。

他には、感情に振り回されている人たちに遭遇した際、どんな振る舞いをしたらいいのか。

本稿では、まず感情とはどうして湧き上がってくるのか、感情のコントロールとはどういうことかを整理します。仕事において感情に振り回される場面について紹介したのち、具体的な感情コントロール方法について解説します。

人はなぜ感情に振り回されるのか?コントロール方法について整理。

怒ったり怒られたりといった、感情に振り回されていつも失敗している。どうして感情が湧き上がるのかを整理、感情をコントロールする具体的な方法を紹介します。

感情とは?感情をコントロールするとは?

ここではまず、人はどのような状況の際に感情が湧き上がるのかを整理します。これらの状況を理解することが感情コントロールの第一歩になります。

次に、感情をコントロールするとはどういうことなのか、なぜ感情が湧き上がるのかと関連付けて紹介します。

感情とは理想と現実の乖離から湧き上がる想い

感情とは理想と現実の乖離によって自然と湧き上がる想いのことです。理想とはこうあるべきだという自身が想像する信念や理念に近いものです。他方の現実とはある事象に対して、自身が想像する主観的な出来事になります。この乖離こそが感情なのです。

この理想と現実の乖離が広いほど、感情の度合いも強いことを意味します。反対に考えてみましょう。ある事象の出来事が理想通りになっているのでしたらどう思うでしょうか?特段何も思わないのではないでしょうか?なにせそれが当たり前、理想通りなのですから。

ここまで抽象的な話でいまいち分かりにくいかもしれませんね。具体的に考えてみましょう。

例えば上司からの仕事の依頼については下記の通りになります。

  1. 事象:上司から今日中に対応しなければならない仕事を割り当てられた
  2. 理想:上司のほうが部下の仕事量を把握し、適切に割り振るべき
  3. 現実:今でも一杯なのにこれ以上の仕事となると残業しないといけない

他には、部下への依頼した仕事については下記の通りになります。

  1. 事象:一週間前に部下に依頼した仕事が完了したとの報告を受けた
  2. 理想:一週間もあったのだから完璧にこなせている必要がある
  3. 現実:思った通りの成果が上がっていない

いかがでしょうか。上司や部下・同僚にいらいらとすることはあるのではないでしょうか?それらはすべて例示した通り、理想と現実の乖離によって湧き上がる感情なのです。

乖離の差を埋めるのが感情コントロールの真髄

感情コントロールの真髄とは、ある事象に対して、自身が掲げる理想と自身が感じた主観的な現実との差を埋めることに他なりません。先にも説明した通り、理想と現実が同じなのであれば、湧き上がってくる感情はないでしょう。

乖離の差を埋めるための方法は次のどちらかになるでしょう。

  1. 自身が掲げる理想を変える
  2. 自身が感じる主観的な現実を変える

自身が掲げる理想を変える

こうあるべきという信念や理念を変えてしまうのが一つ目の方法です。自身が掲げる理想は本当に正しいものなのでしょうか?そもそも何においても絶対的に正解というのは存在しないでしょう。一変するとまでいかなくても少し緩めるだけでも感情をコントロールできるでしょう。

先に示した上司の例では、上司も人なのだから部下全員のすべてを把握できることは困難だろうであったり、自分のほうから仕事量を提言することで回避しようと変えてみるのです。

部下の例では、部下は自分ではないのだから完璧なんて難しいだろうであったり、期日内に回答があったのでまずは良しとしようと変えてみるのです。

理想というのはこれまで自身で歩んできた人生の集大成でもあります。このため、容易に変更することは確かに難しいことかと思います。そこで、理想ではなく現実のほうを変えてみるのを検討してみましょう。

自身が感じる主観的な現実を変える

感情をコントロール2つ目の方法は、主観的な現実のほうを変えることです。同じ事象であっても観点を変えることで受ける印象も変わります。こちらは理想を変えるよりは容易にできるでしょう。

上司の例では、大切な仕事を任されているということは同時に期待もされているのだろうから取り組んでみようであったり、就業時間内に終わらせるためには何か効率化できるかもしれないと考えてみるのです。

同様に、部下の例では、以前と比べて部下が成長している点が見られるから気長に待とうであったり、自分の依頼伝達内容に不備はなかったのかあった状態でこの成果はよくできているかもしれないと考えてみては下さい。

同じ事象であっても受けての主観を変えることによって、新たな可能性を発現させることができます。この可能性というのが大切で、好意的な方向へと転換させてくれます。結果、感情をコントロールできているのです。

感情コントロールで大切なのは視点を自身に持つこと。なぜなら他人の理念や思考・行動を変えることはできないからです。

仕事において感情が湧き上がる場面とは?

ここでは、どういう状況に置かれると人は感情が湧き上がってくるのかを整理します。

大別すると下記の3つになります。

  1. 相手が事象の主体となって、自身の感情が湧き出る場面
  2. 自身が事象の主体となって、感情が湧き出る場面
  3. 周りが事象の主体で、自身はそれを見ている場面

事象の主体が、相手か自分か周りかという違いになります。

これらについて詳細と、対応方法について見ていきましょう。

相手が事象の主体となって、自身の感情が湧き出る場面

ある事象を発生させたのが自身ではなく相手だった場合に湧き上がる感情について解説します。

相手が向けてきた感情に対応して、自身も感情を爆発させてはダメです。例えば向こうが怒りの感情をぶつけてきたときに、とっさに感情的になって反応するようなことです。これは周りから見るとどちらも未熟であると思われてしまい、いい評価には絶対に繋がりません。

それでも他人によっては、怒りの感情をもって人の行動を束縛しようとすることがあります。声を張って怒鳴りつける口調でやれ、と言われると委縮してしまうのが大半でしょう。

しかしそのような暴挙には屈してしまうと永遠と続いてしまうでしょう。このため、冷静に「怒鳴り散らすのは止めてください」「落ち着けられないならいったん解散しましょう」といった対応で乗り切ります。

このような対応をしていると周りから常に冷静な人と高い評価が得られます。間違っても、自身の怒って怒鳴り返すことはしてはいけません。

自身が事象の主体となって、感情が湧き出る場面

上司とそりが合わない、部下が言うことを聞いてくれない、といった不満・不平は枚挙に暇がないです。そうして自分が怒鳴ってしまったり、感情的になってしまうことがあるでしょう。

この時に絶対に記憶していなければならないことは「人に問題はない。あるのは行動によるものだ」ということです。

上司が悪いといって悪役にするのは簡単です。同様に能力のない部下が劣っていてダメだと判断するのも容易でしょう。しかし、本当にダメなのは人に対して評価することなのです。ここを誤解して個人を攻撃してしまうと一気に周りから疎まれることになるでしょう。

批判する際には人の行動なのです。仕事に取り組む態度や有するスキル・知識。これらがどういう理由によって問題なのかで説明しましょう。間違っても、特定の個人に対して批判するのは避けなければなりません。

周りが事象の主体で、自身はそれを見ている場面

感情が湧き上がってくる最後の場面は、周りの人たちがイライラといった感情をもっていて、それに立ち会っているところです。

例えば打ち合わせの場にて、二人の関係者が互いに感情的に議論しているような場面です。自身はこの事象に直面していないため、内側からは感情が湧き上がらないのです。しかし、感情というのは周りに伝搬するため、この場に立ち会っていることで影響を受けてしまいます。

こういった場合、可能であればその場を立ち去りましょう。自身に関係のないところであれば影響は受けなくなるのですから。

しかし、会議などでは決められた時間拘束されてしまい抜け出せない場合もあります。この場合の対応方法としては中立をもって互いの意見を聞きあうのです。自らがどちらかに組することはしてはいけません。余計にこじれてしまいます。

冷静に中立の立場で意見を出し合ってもらうことにより互いの感情を落ち着かせましょう。そして長期的な視点で会社にとって何が大切なのかを考えることが大切です。

感情コントロールの具体的な5ステップ

ここでは感情をコントロールする具体的な方法について紹介します。以下の5ステップを経ることで湧き出た感情をコントロールし、平穏を得ることができるようになります。

  1. 感情を理解・把握する
  2. 6秒間、時間をあける
  3. 感情を数値化する
  4. 湧き出た感情の真因を考える
  5. 感情の治まりを感じる

次でそれぞれについて詳細を見ていきましょう。

感情を理解・把握する

第一には自身の今の感情を理解・把握することです。今は怒っているのか悲しんでいるのか不安に思っているのかという種類も大切ではあります。

しかし、何より大切なのは今平常ではないということを知ることです。

不機嫌でイライラしている人に「何を怒っているの?冷静になったら?」と言っても「自分は冷静だ!」と声高に言われては冷静ではないことは明らかですよね。周りから見て感情に支配されていることがわかるのに、本人は把握できていないとなると何をしても効果は薄いでしょう。

まずは、自分は感情に支配されている、あるいは激しい感情に揺れ動いているということを理解・把握することが感情コントロールの第一歩です。

特に、自身を含めて第三者の目線で現状を見たらどう思うか、と客観・俯瞰的に状況を見るようにすれば自身の感情を理解・把握しやすいでしょう。

6秒間、時間をあける

湧き上がる感情のピークは6秒間です。この6秒間、怒りや悲しみといった感情とは別のことに集中することができれば大成功です。

別のこととはその場から離れることができると最も効果的でしょう。感情が揺れ動いている場面に直面していないのでそれ以上のことは考えられないからです。

仕事では打ち合わせ中などどうしても移動することができない場合もあると思います。そんな場合は目を閉じるか、深く呼吸をすることで対応しましょう。特に呼吸は簡単にできることに加えて、リラックス状態を誘引させる副交感神経を優位にしてくれます。しかし、ため息をつくのは相手にとって非常に失礼になってしまうので、注意しましょう。

どうしても話をしないといけない場合もあると思います。この場合には、いつもより落ち着いたゆっくりとした口調を心掛けましょう。遅めの口調で話をするのは冷静でなければできませんからね。

感情を数値化する

ここまでで表面上の落ち着きは得られたので、より深部まで理解することで感情をコントロールしていきましょう。

第3のステップでは、湧き上がる感情に対して、数値をつけてみましょう。最大を10点とし、今まで湧き上がっていた感情は何点でしたでしょうか?

怒りの感情を例にすると、人生で最も激しい感情を持った出来事、例として自身の信ずる信念を踏みにじる暴言を吐かれたと比べると今感じる出来事はいかほどの物ですか?存外対したことはないかもしれません。

ここで大切なのは、何が何でも数値化する、ということではなく、何かと比較するということです。ある出来事と今の出来事、どちらのほうが感情の起伏があったのかを整理することで冷静になっていきます

湧き上がった出来事とその際の点数を記録しておくと、次のステップにも役立つでしょうし、振り返る際にも重宝するでしょう。

湧き出た感情の真因を考える

感情コントロールの4ステップ目では、なぜこんな感情が湧き出たのかの真因を探ります。これは理想と現実の乖離の差を埋める、で話した内容のことです。

まず、信念とも呼べる理想が高い可能性を考えてみましょう。本当にこの信念は正しいのだろうか。もっと緩めることはできないのだろうかなどと考えることです。

他に、主観的に考える現実について、もっと別の見方ができないのかの検討も必要です。

理想と現実、両者についてしっかりと考え差を埋めることでしっかりと感情コントロールできているでしょう。

しかし、これらのことを全ての感情に対して、実施するのは非常に大変ですね。

そこで例えばステップ3の際に記録した出来事と数値を基にステップ4の実施有無を検討してみてはいかがでしょうか?例えば5点以上の出来事であれば実施する。あるいは5点未満でも3回以上同じ出来事についての記録があれば実施するなどです。

ステップ4を実施することが目的でないです。実施して感情をコントロールし、幸せな人生を歩むことが目的なのですから。

感情の治まりを感じる

最終ステップでは感情が落ち着いているのを実感できます。なぜなら、普段の感情と違うことを理解し、時間を確保して冷静になり、数値化方法でこれまで湧き出た感情と比較しつつ、理想と現実の差を埋めることができたのですから。

普段通りの平常で、冷静に戻ったなら、ここから改めて取り組んでいきましょう。


感情をコントロールする方法まとめ

湧き出た感情に振り回されて仕事で失敗してしまったといったことに対して、本稿では下記のことを解説しました。

  1. なぜ感情が湧き上がってくるのか?
  2. この感情をコントロールするとはどういうことか?理想と現実の差を埋める方法
  3. 感情が湧き上がる場面とはどういうときか?
  4. 感情をコントロールする具体的な5ステップとは

感情とは理想と現実の乖離によって湧き上がる想いのことでしたね。この乖離の差が広いほど、激しい感情となります。

感情をコントロールするには理想と現実の差を縮めることになります。簡潔には理想か現実、どちらかを変えることになります。ただし理想はこれまでの人生で培ってきた理念でもありますので、変更は容易ではないでしょう。現実を変えるのは主観的なとらえ方を変えることですので比較的容易な方法になります。

感情が湧き上がる場面は事象の主体による3パターンで解説しました。他人が自身に向かってか、自身が主体になるか、周りが主体で自身は観察・体験しているかです。これらについての対応方法についても紹介しました。

最後には、具体的に感情コントロールのための5ステップについて整理しました。これらのステップを一つずつこなしていくと普段通りに戻っていることが実感できるでしょう。

感情に振り回されることは周りから未熟な人と思われることになります。本稿での解説を理解し、常に冷静な自分でいられるように感情をコントロールできるようにしていきましょう。何があっても動じない人は周りから高く評価されます。

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