目が覚めても頭が重くすっきりとしない、あるいは身体がだるくて起きることができないといった不調を感じることはありませんか?これはひょっとしてセロトニンが不足しているからかもしれません。
ここではセロトニンがもたらす作用について整理します。
セロトニンは大きく、感情のコントロールや精神の安定に対して働きかける作用を持ちます。
幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンは、必須アミノ酸であるトリプトファンから生合成され、脳内の三大神経伝達物質の一つです。
人の身体には約10mgあると言われています。その90%は小腸に、8%は血小板に、残りの2%が脳内にあります。
ほかの三大神経伝達物質には、恐怖・驚きなど神経を興奮させるノルアドレナリンと、喜び・快楽などの快感を増幅させるドーパミンがあります。三大神経伝達物質はそれぞれ密接にかかわっています。
セロトニンは、このノルアドレナリンとドーパミンの暴走を抑え、心のバランスを整える作用を担当します。
このセロトニンには、以下の5つの主な働きがあります。
- 覚醒状態の調整
- 意欲の促進
- 自律神経への働きかけ
- 姿勢筋への働きかけ
- 痛覚の抑制
これらについて詳細に見ていきましょう。
1.覚醒状態の調整
朝起きて頭がすっきりするためにはセロトニンが必要です。セロトニンが不足すると目覚めが悪く、いつまでも頭がボーッとなってしまうでしょう。
2.意欲の促進
物事への意欲や精神のバランスを保つ大脳領域に対して分泌されたセロトニンが、前向きな感情を促します。セロトニンが分泌されないと後ろ向きな感情になってしまいます。
3.自律神経への働きかけ
交感神経と副交感神経の2種類ある自律神経を調整する働きに対して、セロトニンが活性化させます。
交感神経が優勢になると血圧や代謝が上がり身体が活動に適した状態に移行します。反対に副交感神経が優勢になると身体が睡眠に適した状態に移行します。
もしセロトニンが不足すると、この切り替えがうまく働かず、朝起きてもいつまでもだるい状態が続いてしまうでしょう。
4.姿勢筋への働きかけ
起床時に背筋が伸びて目がパッチリとするのもセロトニンが分泌されているためです。不足していると背中が丸まってしまったり、表情が重くなってしまいます。
5.痛覚の抑制
セロトニンは痛みの感覚に対して抑制させます。不足していると些細なことで痛みを感じてしまいます。
セロトニン減少の要因とは?
セロトニンが減少・不足してしまう主な原因は、過剰なストレスです。
現代社会にてストレスを感じないことは難しく、またあらゆる出来事に対してストレスとなりえることに注意してください。過剰な仕事量、継続的な負荷状況や職場での人間関係の悪化といった、辛く厳しい出来事がストレスになるのは容易に考えられます。
しかし、明るく嬉しい出来事であっても、自身で対処が困難なほどの急激な環境の変化を伴うのであれば、強いストレスとなってしまいます。
セロトニン減少のほかの要因としては、睡眠不足や昼夜逆転などの不規則な生活によってももたらされてしまいます。
これらの不足状況が永続的に続くとうつ状態やうつ病に繋がりますので、早い段階での対応が必要です。
目覚めが悪いならセロトニン不足のまとめ
本稿では、セロトニンが持つ作用と、不足時に起こる症状について整理しました。
幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンは主に、心のバランスを整える作用があります。これには神経を興奮させるノルアドレナリンと快感を増幅させるドーパミンの2つの神経とのバランスを調整します。
セロトニンの具体的な働きには覚醒状態の調整や自律神経への働きかけなどがあります。これらは、すっきりした頭での起床や、睡眠状態から活動状態への移行といった、朝の快適な目覚めに不可欠です。
もし最近朝の目覚めが悪いのであればセロトニンの不足を考慮に入れてみましょう。ストレスを過剰に受け続けていると、セロトニンが減少し、果てはうつに繋がるので早めの対応を行ないましょう。
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