川越メル珈琲での自家焙煎教室体験レビュー、勉強編ではコーヒーの味を最も決めるのが焙煎であることについて勉強しました。自家焙煎教室では引き続いて、実践に入ります。
焙煎教室ではどんな内容のことをするのか、焙煎が自宅でできる方法ってどんなやり方なのかなど色々不安があると思います。これらについて実際に体験してきたレビューをまとめます。
実際に体験したところ、腕は多少疲れましたが、工数や手間が少なく手軽にできましたよ!
川越メル珈琲での自家焙煎教室体験レビュー;本当に家で簡単に焙煎できるの?
焙煎教室の内容が知りたい、自宅できる方法とはどんなものなのか知りたいといった悩みを解決します。実体験で感じた生の声をお届けします。
自家焙煎に向けた準備
川越メル珈琲にて、焙煎を行なう際に利用した用具は以下の9種類になります。
- 生豆
- 片手鍋
- 鍋に合う(透明の)蓋
- カセットコンロ
- 軍手
- ボール
- ザル
- 新聞紙
- タイマー
いかがでしょうか?これと言って特別な道具は使っていないですよね?焙煎と聞くと専用の器具が必要なのかも?であったり、手間がかかるのかも?と思いしり込みしてしまいますが、これだけなら生豆を買ってやってみようと思えますね!
さらに、川越メル珈琲の焙煎教室で実施するやり方は、普段マスターが実際にお店で使う豆に対して行なう方法と同じだそうです!お店のやり方を知れるのは価値ありますね!
これら用具について簡単に説明していきましょう。
生豆
言わずと知れた、焙煎する対象の豆ですね。こちらはお好きなものを用意するのがいいでしょう。
焙煎教室ではお店で用意してもらっていますので、何も持っていく必要がないというのも嬉しい点です。今回はブラジル産のプレミアムショコラという品種を120gで用意してもらいました。
喫茶店やスーパーなどで売っているブレンドは、挽いた後の豆を混ぜたもののようです。焙煎の精度を均一にするためにも、一度に焙煎する豆は一種類としておきましょう。自家焙煎ができるようになるとブレンドという楽しみもできるようになるんですね!これはこれで楽しみで、ワクワクが止まらないです。
片手鍋・鍋に合う(透明の)蓋
生豆を焙煎する際に入れる入れ物です。焙煎工程では、鍋を振る必要がありますので、片手鍋がいいとのこと。透明の蓋なのは中の状態を見ることができるようにするためです。
カセットコンロ
鍋に火をかけるためのコンロですね。キッチンではなく、部屋の机で行なった焙煎教室ではカセットコンロが適していました。
自宅で行なう際はキッチンのコンロで代用できるでしょう。ただし、最近のコンロでは安全のため、一定温度になると自動で火を弱める機能が搭載されています。焙煎の際には一定の熱量をかけ続けることが大切です。搭載されているコンロでは火加減が少し難しいかもしれません。
軍手
鍋を振る際に手を守るために使います。蓋を抑えながら振ることになるため、蓋も熱されているためあると安全です。
ボール・ザル・新聞紙
新聞紙、ボール、ザルの順で重ねます。鍋で焙煎した豆をザルに入れることで豆の温度を冷ますために使います。
ほかに焙煎時にはチャフと呼ばれる豆のもみ殻状のゴミが散乱してしまいます。これらチャフを、ボールで大まかに収集し、ボールの外に出ても新聞紙の上に落ちるようにすると後片付けが楽になります。
ボールや新聞紙はなくても焙煎自体はできますが、結局後片付けの手間が増えてしまいますので、準備しておくほうがいいです。
タイマー
各工程にはおおよその目安時間がありますので、それと経過時間を比べることで焙煎状況の目安にするためにタイマーを利用します。
こちらは必須の物ではありませんが、スマホの時計機能に搭載されているタイマーで十分です。
川越メル珈琲での焙煎手順
ここでは教室で教わった鍋を使った焙煎手順を紹介します。
まず、全体の流れとしては次の通りです。
中火で熱する ⇒
(豆が1ハゼする) ⇒
弱火で熱する ⇒
(豆から音がしなくなる) ⇒
中火から強火で熱する ⇒
(豆が2ハゼする) ⇒
消化する ⇒
鍋から豆を取り出す
カッコ内の文章はこの状況での豆の状態を示しています。それ以外の文章は鍋に対する熱量や焙煎終了時の動作を示しています。
全体の工程を通してかかる時間は10分から11分程度になります。体験時では11分09秒とおおよそ想定通りの時間で完了することができました。思っているよりも短い時間でできるのも嬉しい点ですね!
これらについて一つずつ見ていきましょう。
開始から1ハゼまで;浅煎り
全体の工程でいう「中火で熱する ⇒ (豆が1ハゼする)」のところになります。仮にこの状況で「消化する」段階に飛べば浅煎りになるとのことです。
この工程では「4秒振って、4秒待つ」を繰り返すことになります。4秒間鍋を振るというのは意外に腕に来ます。特に普段使わない筋肉を酷使することになるので結構しんどいですね。
ここではおおよそ7~8分程度かけて1ハゼが起きるまで振って・待つを繰り返します。1ハゼとは、生豆から水分が抜けていきパチパチという音が頻繁にするようになる状況のことです。この音は乾燥させた木で焚火している際に鳴るのと似ている感じがします。
生豆には水分が含まれていますので、まずこの水分を取るのに3分程度かかります。この際には生臭い香りがするのが兆候です。
この工程では豆の色が、少し茶色がかるようになります。もし色が変わっていないなら火が弱いので少し熱量を増やしましょう。
混ぜることで生豆への火の入り方を均一にさせます。
ちなみに、1ハゼの音が鳴る状況になるまで6分10秒かかりました。少し早いですがまずまずの結果でしょう。
1ハゼからハゼの音停止まで;中煎り
ここは全体の工程でいう「(豆が1ハゼする) ⇒ 弱火で熱する ⇒ (豆から音がしなくなる)」に相当します。この段階で「消化する」に移行すれば中煎りになるとのことです。
この工程でもやることは前と変わらず「4秒振って、4秒待つ」になります。違うのは中火から弱火にしていることです。これは鍋の中の温度を一定にすることを目的としています。しっかりと生豆から水分を出させることが重要になります。
ここでは豆から音がしなくなるまで振って・待つを繰り返します。7分近く鍋を振るというのは腕が疲れますので、左右の腕を切り替えるなどして対応しましょう。
4秒待つ間で音がしなくなるというのを判断するのはなかなか難しいです。たまたま音がしないのか、本当に音がしなくなったのかがわからないですからね。ここでは3回待っても音がしなかったら、という判断基準で行ないました。
この段階では、全体的に豆が黒茶色になってきます。スーパーとかで豆の状態で売っているものに近づいて来るのがわかります。
少しずつ焙煎された豆のいい香りがしてくるようになりますよ!実際に焙煎しているという実感にもなって嬉しいものです。
音停止から2ハゼまで;中深煎り
この段階は「(豆から音がしなくなる) ⇒ 中火から強火で熱する ⇒ (豆が2ハゼする)」の工程になります。ここで「消化する」段階を実施すれば中深煎りになるとのことです。
中火から強火で熱する状況になると、鍋を頻繁に振るようにしましょう。頻繁に混ぜないと焙煎度合いにバラツキが出てしまい、味に影響してしまします。熱気が豆全体に均一にあたるように、まんべんなくかき混ぜるようにします。豆をしっかりと乾燥させることが大切です。
火を強めたことにより、鍋の中が煙で充満し曇ってしまうほどになれば一旦落ち着いて蓋を開けて温度を下げるようにしましょう。ただし蓋を開けた状態で、絶対に鍋を振ってはなりません。中の豆が飛び出してしまうだけでなく、チャフ(豆のもみ殻のゴミ)まで周囲にまき散らしてしまいます。鍋を振る際は必ず蓋をした状態です。
2ハゼの音はピチピチという音になります。1ハゼの時より高い音になります。
10分近くコンロの前にいることと、これまでの焙煎なども合わさり、少し汗ばむくらいになります。ここがラストスパートになりますので、頑張っていきましょう。
ちなみに、2ハゼの音が鳴るまで最初から数えて10分02秒かかりました。
2ハゼ以降;深煎り・極深煎り
深煎りや極深煎りを目指すなら「(豆が2ハゼする) ⇒ 消化する」での工程の時間を長くとりましょう。2ハゼの段階で中深煎りになっていますので、後はどれだけ深く煎るかという状況です。
ここでも頻繁に鍋を振ることです。しっかりと振らないと一方のみが焼けてしまうなどの、焙煎のムラが起こってしまいます。
焦がさないように注意が必要です。焦げてしまうまで長時間焙煎してしまうとこれまでの努力が無駄になってしまいます。透明の蓋から焙煎度合いを色合いで確認していきましょう。
一方で、この段階では求める焙煎度合いより少し手前にしておくのが重要です。最後の「消化する ⇒ 鍋から豆を取り出す」での特に「消化」の段階でも焙煎は進むためです。豆自体が熱を持っていて重なり合うことで焙煎が進行してしまいます。
焙煎教室の時では深煎りを目指していたため、この段階を気持ち長めで焙煎しました。
消化と煎り止め
焙煎を終了する段階が「消化する ⇒ 鍋から豆を取り出す」になります。気を付けてほしいのが「消化」、つまり火を消しただけでは鍋の中でも豆の焙煎が続いているということです。
鍋の中では焙煎が続くため、求める焙煎度合いより少し手前にしておきましょう。それかすぐに鍋から豆を取り出し、ザルにあげるようにしましょう。
ザルにあげることで焙煎としての工程は完了になります。
この段階に来るまで最初から11分09秒かかりました。この間ほとんど鍋を振っていたので疲れましたが、目の前に自分で焙煎した豆がある嬉しさのほうが勝っていましたね。
熱量を持った豆を冷やすため、ザルを回したり振ったりしましょう。この時チャフが周りに飛んでしまうので最初は弱く行なうほうがいいです。
豆に触って十分冷ますことができれば完成になります。コーヒー豆を保存する容器や袋に入れましょう。
焙煎度合いとコーヒーの味
ここでは焙煎したコーヒー豆が浅煎りか中深煎りなのかといった度合いを知る方法と、焙煎後のコーヒーの味について整理します。
焙煎指数による焙煎度合い測定
焙煎度合いを測定する方法としては、焙煎手順でも紹介したハゼの音を利用した方法に加えて焙煎指数というものがあります。
まず、ハゼの音を利用した方法を再度まとめます。目指す焙煎度合いと豆を鍋から取り出す段階の関係は以下の通りです。
焙煎度合い | 手順・工程 |
---|---|
浅煎り | 1ハゼの段階 |
中煎り | 1ハゼの音が止んだ段階 |
中深煎り | 2ハゼの段階 |
深煎り | 2ハゼ以降の焙煎 |
極深煎り | 2ハゼ以降の焙煎(長め) |
次に、焙煎後に計測することでわかる焙煎指数という方法を紹介します。
ここでは焙煎前後の豆の重量の関係から算出します。式としては「焙煎前の重量 / 焙煎後の重量」です。
焙煎教室では元々120gの豆を用意してもらいました。焙煎後の重量は「97.4g」になっていました。したがって、焙煎指数は「1.23 = 120 / 97.4」となるのです。差の分だけ水分が蒸発した、ということなんですね。
では、この焙煎指数と焙煎度合いの関係を見てみます。以下の表の通りを参照ください。
焙煎度合い | 焙煎指数 |
---|---|
浅煎り | ~1.15付近 |
中煎り | 1.15~1.20付近 |
中深煎り | 1.20付近 |
深煎り | 1.20~1.25付近 |
極深煎り | 1.25~付近 |
焙煎指数が「1.23」ということは中深煎りから深煎りの間ということですね。もう少し煎る時間を長くすると深煎りになったと思います。
こちらの方法は焙煎後でしかわからないですが、数値として一発で判断できる利点がありますね。焙煎中では音の聞き分けや豆の色合いといった五感に頼るしかないですから。
焙煎後直後のコーヒーは美味しくない。ピークは2~3日後
焙煎直後の豆を挽いて入れるコーヒーはなんとなく新鮮でおいしそう、というイメージがあります。しかし、燻製したお肉やチーズを始め漁港から取ってきた魚といったのは数日休ませたほうが味が落ち着いて美味しいのです。これは焙煎したコーヒー豆も同様です。
焙煎直後の豆にはガスが溜まっており、均一な味で抽出できない原因になってしまいます。これが落ち着くのがせめて翌日以降、理想は2~3日後とのこと。またマスターが言うには7日後あたりまでは美味しいコーヒーが抽出できるそうです。それ以降置いていると今度は酸化が進んで豆が劣化してしまい、味が落ちてしまうようです。
自家焙煎する際にはピーク中に美味しいコーヒーが飲める程度に焙煎するのがいいでしょう。
人によっては冷蔵庫や冷凍庫で保存するというのもありますが、マスターは違います。そもそも飲める量だけどをしっかりと焙煎するのが一番美味しいという考えなのです。
川越メル珈琲での焙煎教室まとめ
片手鍋を使った自家焙煎を実施している川越メル珈琲での体験レビューはいかがでしたでしょうか?
焙煎の準備として利用する用具の説明をはじめに行ないました。焙煎という言葉の定義から鍋が最も適しており、フライパンや直火ではない理由についても紹介しました。
実際の焙煎手順では総時間約11分と思ったより短い時間でできてしまうのは驚きですね。特別な器具も用いていないので、これなら本当に家でも実践できそうです。ただ、鍋を振るのは疲れるのでここだけは慣れるしかないですね。
焙煎時にはハゼの音や豆の色合い、開始からの経過時間などを駆使して目指す焙煎度合いにしていきましょう。マスターが一緒になってみてくれるため、失敗する恐れはありませんよ!出来上がったコーヒー豆を見ると感動でいっぱいです。早く飲んでみたいですね。
焙煎後すぐにコーヒーを飲みたくなりますが、味が落ち着く2~3日は我慢が必要です。最もおいしい7日以内に飲み切れる量で焙煎するのがマスターのオススメ。そもそも片手鍋では大量の豆を焙煎するというのは難しいのかもしれないですね。
こんなに手軽に焙煎できるなら、今度は家でもやってみようと思います!そのときはまた記事にしますね。
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